安すぎる制作料金の怖さ。

 
 
音楽制作、楽曲制作の
料金相場についてですが、
あまりに安すぎる制作料金の場合は
注意が必要です。
 
 
とても残念なことですが、
困ってご相談してこられる方が
増えてきているので、
注意すべき事を書いておこうと思います。
 

例えば作曲とアレンジ(編曲)を頼んで
500円から5,000円くらい(ありえない安さ)だったとします。
音楽としてのレベルが最低だということには
この際、目をつぶるとしても、
一番怖いのは楽曲やフレーズなどの「盗用」です。
 

メロディーの盗用、フレーズやリフの盗用、
許諾されていないサンプリングなど、
著作権法に抵触する不法行為がなされた楽曲を
つかまされることが最も怖いのです。
 

プロが商用で使うライセンスフリーの素材
(音楽を構成する音の断片)というものは、
かなり高価なもので、
データメディア1枚で数千円から数万円はします。
それを何十何百何千と
そろえているわけですから、
当然何十万円何百万円の単位で
楽曲の素材を用意していることが普通です。
あくまでも普通のことです。
 
たった1音にも
神経を張り巡らせて曲を作るのは
真っ当なクリエイターにとっては
当たり前のことです。
 

そのようなところからも、
安心して使ってもらえる 楽曲の制作料
というものは決まってきますが、
500円や1,000円では安心して使用できる楽曲を
供給することは到底不可能です。
ただ音の素材をそろえるだけで
大赤字になってしまうからです。
 
 
また、音楽制作の素人が
やってしまいがちなことは、
自分が生み出したと思っている
フレーズやメロディーが
実は過去にCDで聴いた市販作品のものだった
ということです。
 
潜在意識に残っていた
誰か他の人間の創作物を、
自分のひらめきと勘違いしてしまうということは、
音楽だけに限らず、どの分野でも
制作の素人ほど起こり得ることです。
そして未熟なクリエイターほど
そのことに自分で気が付けない。
未熟なほど自分の 才能や技量の見積もりが
甘いものですから。
だから曲を依頼する側からすると、
とても怖い。
 
 
スキルが乏しい、スピードもない、
精度も低い、引き出しも少ない…
そうなったら未熟なクリエイターが
取る手立てとして考えられるのは、
ネット動画から曲だけ引っこ抜いて
一部分だけループさせる、
洋楽や邦楽CDから違法にサンプリングして
切り貼りしてつなげる、
こんなところでしょう。
 

音楽家だけじゃなく、
映像作家やイラストレーター、
ライターやデザイナー、
才能や表現を生業とする仕事は
必ず修行期間というものがあります。
これは誰もが絶対に避けては通れない壁です。
 
1万時間の法則と言って、
何かを究めるために掛かる時間は
毎日3時間取り組んでも10年掛かるという法則です。
よく昔から10年でようやく一人前と言いますが、
この法則のことですね。
天才でさえ、この1万時間を
異常なスピードで没頭して 消化し
才能を開花させるそうです。
 
 
ところが、インターネットやデジタル技術の進化によって
様相が変わってきます。
 
なんとなく作った曲がお金になった、
適当に作ってみたけどそれっぽい音楽になった、
曲作りの練習で1,000円もらえたらそれはそれでいいかも…
とても残念なことですが、
こういうクリエイターが
実際にいるという現状を生んでしまった。

デジタルの進化は
壊れてはいけないものまで壊していく
負の部分も合わせ持っています。
良い面もたくさんあるのですが、
悪い面も間違いなくある。
 

お小遣いになればいいや、
とりあえずノート1台で曲が形になるし。
楽勝じゃん。
 
…そして生まれる音楽の盗用。訴訟や事故。
そりゃ必然的にそうなります、
プロの大前提である
1万時間の法則さえクリアしてないんですから。
 

無断でパクってやろう、
盗んでもどうせわかんないでしょ
なんていう悪しき輩は論外として、
勘違いや不注意で
意図せずに盗作になっていたという
悪意なき不法行為もまた非常に怖いことです。
 

制作予算は安いほど良いです。
でも不自然に安すぎるものには
本当に注意が必要です。
訴訟だの損害賠償だの
一番困るのは依頼した人ということになる。
こんなことは絶対にあってはならないことです。
 

めちゃくちゃな曲を渡された、
どうしたらいいかわかなくて困っている、
こんな相談のメールが残念なことですが
日に日に増えてきているので、
今回はこのようなことを書かせて頂きました。