音楽制作 応用編

楽曲制作 応用編

プロのサウンドとは


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プロのサウンドとアマチュアのサウンドとの決定的な差とは何でしょう。

音質、機材・・・確かにそれらも良いものであるに越したことはありません。

しかしもっと決定的な差は「アイディア」です。


誤解を恐れずに言えば、機材やアプリケーション、音源ライブラリー、楽器や音楽理論
それらを「正しく運用し、また正しく運用しない」ということです。



例えば、シンセサイザー。


シンセサイザーの音というのはトレンドのサイクルが非常に速く、
市場にシンセサイザーがリリースされて出回る頃には、そのプリセット・サウンドは時代遅れになっている場合が多々あります。

用意された音を選んで使うことしかしないと、それは皆が簡単に出せるサウンドということになってしまいます。


だからプロのクリエイターたちは新しい音の掘り起こしに躍起になります。

時には70年代80年代に使い古され、打ち捨てられたシンセサイザーに新しい音を再発見したりします。
また最先端のシンセサイザーを使って、メーカーすら思いもよらなかった運用方法で新しい音を紡ぎ出します。




大切なのは「いかに与えられた方法論を否定し、いかに新たな方法論を生み出すか」です。





サンプリング音源

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サンプリングCD、サンプリング音源とは、一般的に広く販売されている主にジャンル別に特化されたサウンド・ライブラリーです。


・生ドラムのワンショット音のみを数千にわたって集めたもの
・HIPHOPやR&Bに特化したもの
・ストリングス系の弦楽器をフィーチャーしたもの
・JAZZドラムのループ集
・生ベースのサウンド・ライブラリー


等々、ほぼすべてのジャンルを網羅するほどにサンプリング音源は成熟しました。


実際、プロのクリエイターたちはこのサウンド・ライブラリーを大量にコレクションしていたりします。


しかし、正しく運用はしません。ここが大事なところです。


JAZZ用に用意されたドラムループを切り貼りしてR&Bに応用して使ったり、
生ドラムのワンショット音を幾重にも重ねてポップス向けのエッジの効いたスネアを作り出したりします。

このサウンドは世界中のどこにもありません。そのクリエイターが生み出したオンリーワンのサウンドです。


用意されたものをそのまま運用している限り、プロのサウンドにはならないものです。



これらサンプリング音源を切り貼りしたり、レイヤーしたり、変調させたりするのに非常に便利なアプリケーションがあります。

Ableton の Liveシリーズです。

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直感的なインターフェースは、新しいサウンドを作るのに適しています。

ドラッグ&ドロップでサンプルを次々にプレイバックできるので、元のサンプル・ネタから離れていき、
様々なサウンド・ライブラリーを掛け合わせ、最終的にはメーカーに提供されているものの「さらに上のクオリティー」のサウンドを目指します。


それがいわゆる「プロの音」というわけです。



ゴージャス感を生み出す


ここで言うゴージャス感とは、豪華に感じさせるサウンドのことです。


一般的に、派手で豪華なサウンドは多くの人に好まれる傾向にあります。


音圧感、音量感も大事ですが、それはエンジニアリング的な領域なのでここでは触れずに後述します。


音楽で言うゴージャス感とは、「リアリティー」のことです。


人間が弾いている、人間が叩いている、あるいはヒットチャートでよく耳にするデジタル・サウンド、
好きなアーティストのあの音・・・

等々、身近に感じられるけど、圧倒されるようなサウンドです。


一昔前は、シンプルにゴージャス感=生演奏でした。
もちろん生演奏の素晴らしさは言うまでもないことです。


しかし時代は変わりつつあります。


例えば映画のCGを思い出してみてください。

圧倒的な天変地異を描くシーンや人間離れしたアクションシーンなど。
リアリティーを根底のテーマに描いていますが、実際には撮ることの出来ないシーンに私たちは驚きワクワクしたりします。

また現実にはあり得ない仮想空間を描く、純然たるデジタルの世界観にも感嘆したりします。



音楽でも似たようなことが起こってきています。いわば音楽版のCGです。


生楽器の持つポテンシャルをコンピュータに取り込み、再構築し、最先端のテクノロジーによって
その生楽器をも超えてしまうサウンドを次々に生み出していく。


時代によって「ゴージャス感」の定義は変わりますが、
今という時代では、CG的なサウンド構築がまさにゴージャス感を生み出す源泉となっています。


そのテクニックをいくつか紹介します。

生楽器のシミュレートをエレメント化する



なんだか難解そうですが、要は生楽器の持つゴージャス感を1要素として断片的に楽曲に取り込むということです。

オーケストレーションやアコースティック・ドラム、民族楽器など
数多くの生音シミュレート・ソフト音源が出回っていますが、そのほとんどが一長一短です。

得手不得手がそれぞれにあるわけです。

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だから、様々な音源を組み合わせる必要があるのです。

バイオリンのアタック音はAを使い、リリース音はBを使う。
プログラミングされたビートに生ドラムの空気感だけシャドーで足す。

組み合わせ方は色々ですが、やはりここでも用意されたソフトウェア音源をそのまま運用しないことがクオリティーアップの秘訣です。


映画のCGのように、「現実を超える」というのが最終的な着地点です。



音をレイヤーする



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レイヤーとは「重ねる」という意味です。

ヒットチャート系のいわゆるプロの現場では、シンセ・サウンドひとつとっても
そのままプリセット・サウンドが鳴っていることはあまりありません。


例えばキラキラしたシンセ・サウンドであれば
YAMAHA・MOTIFのシンセ・ベル+ROLAND・XV-5080のファンタジー系シンセ+KORG・TRITONのシンセ・ストリングス
といったように、違う機種のシンセ・サウンドを幾重にも重ねて鳴らしている場合がほとんどです。


オーケストラ・ヒットなどもそうです。レイヤーされているので機種が特定できないようなケースはよくみられます。


このように、音をレイヤーすることはプロにとっては日常茶飯事であり、むしろ音を重ねないと気が済まないぐらいなのです。


音の取り込み段階で作り込む



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コンピュータに取り込んでから音を作り込むより、取り込む前段階で、HAやマイクプリなどで音を作り込むことが大切です。

太くしたい音はより太く、繊細な音はより繊細に。
ただしこれらの機器は高価なので、様々なテクニックを身につけることの方が先かもしれません。





音楽理論に縛られない



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楽曲制作において、基礎となる部分が音楽理論です。


しかしこの音楽理論から時には逸脱することも、大切なことなのです。


例えば、バラード・ディーヴァとして君臨するセリーヌ・ディオンの楽曲には
音楽理論としては決して正しくないコード進行がしばしば見られます。


例えば、Cメジャーで言うところの

サブドミナントFから理論的に動いていいコードには限りがあり、
決してAmには直接動いてはいけないとされています。


しかし、楽曲のサビ部分でしばしばこのF→Amという動きが見られます。


もちろん聴感上、違和感はありませんし、むしろ気持ちがいいぐらいです。



それから、かつて80年代の邦楽シーンでも理論上はあり得ない「転調」が発明されました。

曲が後半にかけて盛り上がるにつれ、最後の最大の見せ場部分で
半音上に突然転調するのです。


突然の「トランスポーズ+1」です。



これはコンピュータによる音楽制作の過程で偶発的に生まれたテクニックだそうですが、
突然の転調はリスナーに驚きをもって迎えられましたし、また同時に非常に心地の良いものでした。




このように、理論に縛られることなく
好奇心や実験精神は新しい音楽を生み出していくのに欠かせない重要な要素なのです。









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