ゲーム音楽考察

GAME MUSIC COLUMN

ゲーム音楽制作理論

 

「ゲームミュージック」とは。

ー ポップスとゲーム音楽の進化の違い ー

 
 
 
ファミリーコンピュータのオシレータ剥き出しの電子音の時代から昨今のオーケストラの完全なシミュレートまで、ゲームミュージックはテクノロジーの進化と共に変貌を遂げてきました。
 
 
 
 
コンピュータで音楽を作るいわゆる「打ち込み」の先駆的な存在であり、ポップスなどの音楽業界とはまた違う独自の進化を遂げてきたのです。
 
 
例を挙げれば90年代にシンセメーカーのKORGが後に名機と呼ばれる「M1」を世の中にドロップした時、
 
 
その独特なピアノ音色は「ハウス」と呼ばれるアメリカ産のダンスミュージックと結びつき、Madonnaをはじめとする世界的なアーティストによって大々的にフィーチャーされ、そのM1サウンドはまさに世界中を席巻しました。
 
 
ところが、ゲームミュージックの世界では、M1のピアノが大々的にフィーチャーされるというような現象は起きません。また、ハウスのように特定のジャンルが持て囃されるということもないのです。
 
その頃のゲームミュージックといえば、セガの「アフターバーナー」や「ファンタジーゾーン」、日本ファルコムの「イース」、ナムコの「源平討魔伝」やカプコンの「魔界村」
 
 
 
 
これら後に名作とされるゲーム作品には大々的に「FM音源」がフィーチャーされていました。これはポップスの世界ではあり得ない現象です。
 
音楽だけを取り上げてみれば、音楽業界とゲーム業界は各々テクノロジーの進化は共に受けながらも、まったく違う解釈で音楽を作り出してきた歴史があることに気がつきます。
 
FM音源のように機器固有の性能的な問題から生まれたゲームミュージック独自の表現法と考えることも出来ますが、90年代半ばにもなると、プレイステーションの登場を契機として、
 
 
音楽業界の作るサウンドとゲーム業界の作るサウンドが、少しずつ近くなっていきます。
 
 
MIDIの一般化やDAWの成熟に呼応するように、サンプリングやブレイクビーツ、GM音源やレコーディング技術など、少しずつポップスの世界とゲームの世界とがリンクしていくのです。
 
 
 
しかし、それでも両者の違いは大きく、ポップスでは常にサウンドのトレンドを追いかける傾向が強く、ゲームミュージックでは音楽のジャンルの実験が行われてきました。
 
テクノ×メタル、教会音楽×ドラムンベース、R&B×フュージョン、クラシック×プログレなど、音楽業界ではあまり見られない掛け合わせが行われてきました。
 
 
音の磨き込みや作り込みはトレンドを追う分だけ音楽業界の方がシビアです。使用する音響機材も高価なものが多く、音の精度が求められることが多いためです。
 
 
 
しかし、音の実験場という意味ではゲームミュージックの方が遙かに自由度が高く、予測がつかない面白さがあります。
 
この独特の「熱」のようなものが、ゲームミュージック最大の魅力だと言えるかもしれません。