音に予算を注ぎ込め!
音色を増やしまくれ。
マルチ音源の功罪。

なぜかというと、音色が広範囲に網羅されている場合、音色一つ一つのクオリティーが弱いからです。確かに、ピアノ、ストリングス、オルガン、ギター、ドラム、ベース…いろんな音がこれでもかというくらいにギッシリ詰め込まれています。
でもその一つ一つの音を見ていくと、どれも少しずつ弱い。点数で言うなら60点~70点というところでしょうか。使えなくはないが、主力で使うべきではないクオリティーです。
しかし、所有していなければならない理由は、KOMPLETEシリーズはシンセが強い。NativeInstrumentsというメーカーは昔からシンセに強くて、「Massive」「ABSYNTH」「FM8」など数々の名機をリリースしてきました。

特に「Massive」はEDMを生み出したと言えるほどの名機です。それら強力なシンセは必ず所有していなければなりません。シンセの音が好きだろうが好きでなかろうが、サウンドクリエイターとして必ずマスターしていなければならない音源のひとつです。
それと大事なのが、モンスターサンプラー「KONTAKT」の存在です。

世界標準のソフトサンプラーと言ってもいいKONTAKTは、あらゆる楽器のプレイバック音源として使われます。ピアノ、ストリングス、ベース、ドラム、パーカッション、シンセ、効果音、あらゆるサウンドをプレイバックするサンプラーとして必携となりますので、必ずマスターしなければなりません。
KOMPLETEシリーズを所有していなければならないもうひとつの理由は、それぞれの音色を「部分的に使える」からです。

例えばストリングスなどは、独自の「アルペジエーター」が搭載されていて、弦楽器の生演奏と遜色ないレベルでフレーズを作れますが、それだけでストリングス全編を押していくのは厳しい。あくまでも部分的に取り入れるという方法にとどまると思います。
マルチ音源は手っ取り早くサウンド作りの世界に入ることができるので、多くの人に楽曲制作の間口を広げたという功績があると思います。その反面、あまりにも多くの音色を使いこなせないばかりか、60点の音楽で満足してしまうクリエイターを増やしてしまいました。実際の問題として60点では音楽の仕事は回していけません。
たくさんの音があるのに「出来そうで出来ない」「やれそうでやれない」このジレンマに苦しんで脱落するクリエイターを増やしてしまったのは罪かもしれないです。
あらゆる楽器の専門音源を使え!
マルチ音源はあくまでも武器のひとつです。小道具くらいの感覚です。
音のクオリティーを上げるにはその楽器専門の音源を導入する事が絶対条件です。
ピアノ
昔からプロの間で定評のあるSynthogy社の「Ivory」シリーズ。

XLN AudioのAddictive Keysシリーズも出音の良さが即戦力となるでしょう。

ドラム
ドラム音源の御三家といえば、



リズムトラック
TR-909系のキックやスネアなどデジタル系のリズムトラックを構築する時は、KONTAKTなどのソフトサンプラーを使って、最新のサンプルライブラリーにアップデートし続けることです。
どの音色ライブラリを取り入れていくか、ここからすでにサウンドセンスが問われます。最先端の音、レトロフューチャー、音質、ヌケ感、これら音の要素を一瞬で判断出来るかどうかがクリエイターの力量に直結します。


ベース
ベース音源はクリエイターの趣向が出やすいところです。曲が新しいか、古くさいか、あるいはスタンダードでエバーグリーンか、そういった印象を聴き手に与えやすいのがベースというサウンドセクションだったりします。

premier soundfactoryは日本の音源メーカーですが、音色センスがとても素晴らしいと思います。音の主張が強いのに曲になじむというサウンドのバランス感が秀逸です。

ギター
SHREDDAGE 2シリーズやAMPLE GUITARシリーズをはじめ、








シンセサイザー
シンセ音源には大きく分けて2つのタイプの音源があります。
・オシレーターやフィルター等を備えたアナログシンセ系
・プレイバック主体のサンプリング系音源
アナログシンセ系の音の特徴としては、EDMなどでおなじみの分厚いシンセサウンドや、上昇音やスウィープ音などの効果音、アルペジエーターなどのピコピコサウンドが得意です。
ARTURIA V COLLECTIONなどがそれにあたります。




一方、サンプリング系のシンセ音源はデジタルシンセやアナログシンセの実機からサンプリングされたサウンドライブラリーを音の心臓部としていて、音作りの過程をすっ飛ばしていきなりダイレクトに欲しい音を選べるという特徴があります。
reFXのNEXUS2などが有名ですね。


