作曲の極意

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音楽制作会社ネクスト・デザイン

 
 

 

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音符と友達になる。

 
 

作曲に必要な音符の知識

 
 
4分音符、8分音符、16分音符
 



四分音符
 
八分音符
 
十六分音符

 

これが1番接する頻度の高い3人組です。ダンスミュージックなら、キックドラムがドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ、…これ4分音符です。4分打ちとか4つ打ちなんて言いますよね。

バラードでピアノのコード弾きで4分音符弾きはよく出てきますね。
 
 


■4分音符のキャッチー性

 
 


四分音符



 
曲の基本リズムであり、最も人に心地よい音符だと言われています。キャッチーなメロディーラインを考える時、まずこの4分音符をフィーチャーすることが出来ないか考えます。
 
コードを刻んで弾き語りする時も4分音符で和音を鳴らします。楽器が弾けないという人は、まずこの4分音符を意識して弾くとスムーズに弾けるようになっていきます。左手でコードを4分音符で鳴らしながら、右手でメロディーを弾いてみてください。意外と両手がバラバラでもスムーズに弾けることに気付くはずです。それくらいこの4分音符は人間の体に馴染みやすい音符なんです。
 
それでも、うまく弾けない(涙)という場合は、シーケンサーにコードを4分音符で打ち込んでしまいましょう。好きなコード進行をシーケンサーに打ち込んだら、あとはメロディーを1本指奏法でも、ピアノロールでポチポチ打ち込んでいっても良いと思います。方法は自分のやり方に合っていれば何でもいいんです。
 
どんな方法でも4分音符は曲の「鼓動」だということを是非覚えておいてください。
 
 


■8分音符は玄人受けするいぶし銀

 

8分音符は、ベースラインなどでよく見かける音符です。
 


八分音符


 

単調だと思われがちですが、飽きの来ないフレーズなどは8分音符を駆使したものが多いと言うくらい、実に奥の深いいぶし銀のようなやつです。

逆を言えば使い方が少し難しい音符だとも言えます。休符を織り交ぜたり、強弱を付けてあげたり、単調に聴こえがちな8分音符を飽きない聴かせ方にしてあげる必要があるからです。

 


■16分音符で言葉を詰め込む

 

そして、16分音符。
 


十六分音符


 

曲に疾走感やワクワク感を与えるのがこの音符です。聴かせたいパートにはさりげなく16分音符を絡ませていく。これはひとつの編曲テクニックです。

シンセのシーケンスが16分音符で鳴っているだけでポップ感が出てきます。ギターのカッティングを16分音符で刻むだけでグルーヴが出てきます。

曲に躍動感を与えたり、ゴージャス感を与えたりするのに、まずこの16分音符を運用できないか考えます。楽曲制作において最も当たり前のように使う魔法。それが16分音符です。

 
これはサウンド面だけでなく、主旋律(歌メロ)にも使える音符です。アニソンなどデジタル・ポップス系の曲には特に相性が良いです。簡単に言うと「早口っぽい」箇所がそれにあたります。
 
言葉をたくさん詰め込むことも出来るので、日本語歌詞との相性も良いです。

ただ、使いすぎには注意が必要です。使いすぎると曲にメリハリがなくなり、単調に聴こえてしまいがちだからです。ポピュラーな魔法とはいえ、ここぞという時に使わなければいけません。
 
 


■全音符、2分音符は曲の基礎を支える。



それから、悠然とした大人の余裕をたたえた

全音符、2分音符。
 


全音符
 
二分音符

 

決して前に出てくるタイプではありませんが、曲全体を見渡して見守っているような音符です。

コードはこのリズムで変化していくものがほとんどです。曲の流れをクリエイター視点で見ていくときにはまず、全音符、2分音符を意識しながら聴いていくことが大切です。

パッと聴いた感じ難しそうな曲だなあと思っても、全音符、2分音符を意識しながら聴くと、難しく聴こえるのは、上モノが複雑に絡み合っているだけで、実は簡明なコードワークだったりします。

わからないことは大人に聞け。…ということですね。
 
 


■大人気の付点8分音符

 

そして、変わり者、いや…人気者なのが

付点8分音符。
 


付点八分音符


 

ダンスミュージックでは、この音符はとても愛されています。跳ねるような躍動感、どこまでも続いていくような恍惚感を与えてくれるのがこの付点8分音符です。

単純に言って、カッコイイんです。この音符の持つリズムは。

J-POPでもよく出会う音符ですね。

サビにこのリズムを持ってきたり、間奏部分で印象づけたり、ゲームミュージックやアニソンにも欠かせないリズムパターンでしょう。

この付点8分音符をどこに持ってくるか、それは作曲者やアレンジャーのセンスにかかってきます。
 
つまり、ここぞという時にとっておく音符だと言えるかもしれませんね。

場合によっては、イントロもAメロもBメロもサビもすべてこの付点8分を活用した曲も実はたくさんあります。

日本人が1番好きな音符が、この付点8分なのです。


西野カナ - 会いたくて 会いたくて

高橋洋子 - 残酷な天使のテーゼ
『新世紀エヴァンゲリオン』

ロマンティックモード - DREAMS
『機動新世紀ガンダムX』


多くのヒット曲に見られますよね。

小室哲哉さんが最も愛したリズムパターンと言えばこれです。

 
 


小室哲哉の符割り


 

この符割りは日本語が乗りやすく、良い曲にするために即効性的な威力を発揮します。そしてこの符割りに16分音符を絡めていくことで疾走感をメロディーに与えることが出来ます。

サビ部分に持ってきてもよし、歌の最後のキメ部分に持ってきてもよし、Bメロあたりのサビ部分へ盛り上げていく箇所に持ってきてもよし、…と万能選手なのが付点8分音符なのです。

実はこの符割りは、盆踊りや民族音楽にも出てくるリズムで、原始的で情熱的な躍動を感じさせるリズムでもあるのです。トライバルなトラックのハウスやテクノ、ビートがバウンスするダブやレゲエなどにも好んで用いられるのは、人間が持つ根源的なエネルギーに訴えかけることが出来るからなんですね。
 
 


■付点4分音符の心地よさ

 

あとは、付点4分音符。
 


付点四分音符



 
 
付点8分ほど華やかな効果はありませんが、シンプルにカッコイイ。独特のタメと裏を突くインパクトがグルーヴを生み出します。

4分音符や8分音符でスムーズに流れていく曲の中で、ひとつのアクセントとしてこの付点4分をコード弾きなどで使うと、その箇所を印象づけることが出来ます。タイミングを変えることで聴き手にハッとさせるわけですね。

テンポの速いジャンルでは最も目にする音符です。ハイテンポなポップス、ロックならパンクやヘビーメタル、ダンスミュージックならドラムンベースやユーロビート。付点4分音符が主役と言ってもいいぐらいです。

ダブステップなど2つのBPMを行き交うジャンルでは、付点4分を付点8分のように聴かせたり、付点8分を3連符のように聴かせたりするワザもあります。


このように、それぞれの音符の性格や役割をしっかり知りつつ付き合っていくことが、曲作りの助けになってくれますので、ぜひ音符と友達になってみてください。


 
 
 

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