コード進行  マスター
 

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コードのキャラクター

 

学校のクラスで例えるコード進行

 

 
コードの役割1
 
コードにはそれぞれ役割や性質があります。
 
図のように各キー(この図でのキーはC)には7つのコードがあって、そのⅠ度~Ⅶ度までの7つのコードにはそれぞれハッキリとした役割や性質があるのです。
 
位置関係を表すのにローマ数字表記されることが多いですが、「Ⅰ度=いちど」「Ⅱ度=にど」「Ⅲ度=さんど」・・・と読みます。4-5-6、1-6-2-5というように単純に数字で呼ぶこともあります。
 
コードとは和音のことで、同時に3つ以上の違う音程が鳴っている状態です。そのあたりがよく分からない方は、こちらのページが視覚的にわかりやすいと思います。
 
 
コード進行はメジャーキーとマイナーキーとに分けられますが、最初のうちはひとまずメジャー/マイナーという意識はせずに、曲を「Cで終わらせる」「Amで終わらせる」「Fで終わらせる」という認識でいた方がコード進行を把握しやすくなります。
 
スケールとか臨時記号とかそのあたりでコード進行が嫌になってしまうと思うので、まずはコード進行のパターンを覚えて、各コードのキャラクターをマスターすることの方が大切です。
 
それぞれのコードのキャラクターについては、よくわかっていない人が多いようなので、学校のクラスにありがちな人間のタイプになぞらえて各コードの性質を説明していきます。 
 
皆さんが知っている人間のキャラクターやイメージそのままにコードにあてはめていきます。キーはCで、わかりやすく白鍵のみで説明していきます。
 
各コードのキャラクターを把握することは、思い通りのメロディーを生み出していくのに非常に重要なので、是非参考にして頂けたらと思います。
 

 

Ⅰ度 トニック C   
リーダー

 
クラスのリーダーはいつも笑顔でみんなをまとめる役割を担っています。
コード「C」にあたります。
 
キーの起点となるコードのことを「トニック」と言います。曲が始まり、曲が終わるその決定権をこのトニックは持っています。他のコードすべてに対して大きな影響力を誇ります。クラスのみんなの行動をしっかり笑顔で見守ります。
 
唯一の欠点は音の響きが学級委員的な優等生すぎる点です。模範生のような規律正しさが仇となって、もし使い方を誤れば高確率でダサイ曲と化します。
 
「C7」に変身することがあり、その時は曲を終わらせず、まだ続きがあることをクラスのみんなに知らせます。
 
また、ルートの「ド」でメロディーが着地すれば曲が終わってしまいますが、構成音の「ミ」や「ソ」でメロディーを鳴らせば、メロディーのブリッジとしてリーダーらしいメリハリの効いた働きを見せることも多いです。コード進行に手詰まってしまって困った時はリーダーに声を掛けてみると、曲が素晴らしい展開に生まれ変わることもあります。
 


 

Ⅱ度 Dm
マジメ

 
マジメなキャラクターを持つこのコードはⅡ度「Dm」にあたります。
 
このⅡ度という呼称はCから数えて2番目という意味です。Dmの使い方次第で曲の方向性が変わってきます。深みのある流れを作り出す玄人好みするコードで、ベテラン作曲家ほどこのⅡ度を多用します。
 
マジメ(Dm)からエリート(G)へのスルーパス、ツーファイブモーションという手堅い奥の手も持っています。また、そのマジメな性格からクラスの人気者(F)とは無二の親友で信頼が厚く、サブドミナントの代理コードを任されることもあります。
 
マジメなだけかと思いきや、時と場合によってはテンションが上がってしまって「D」に変身する時があります。その時は独特の響きを生みだし、メロディーラインの在り方に影響を与えます。人気者のFとはリア充度が違いますが、どこかサブドミナントと性格が似ています。それゆえにFとは仲がいいのです。
 


 

Ⅲ度 Em
イケメン 

 
オシャレでスタイリッシュな響きのⅢ度「Em」。 洋楽感を生み出す際にこのEmは要となります。 Ⅲ度をいかに配置するか、作曲者のセンスが問われます。
 
Ⅱ度のマジメ君よりコードの推進力が高く(クラス全体への影響度が高く)、ドミナントの代理(エリートGの代理)の役割も担っています。イケメン≒エリートとも言えます。またクール(Am)とも仲が良く、Amと絡むその動きで曲に華やかさを添えたりします。
 
人気者(サブドミナントF)と絡む時は負けず劣らずの人気度を発揮します。Ⅶ度お嬢様はこのイケメンEmと、とてもよく絡みたがります。お嬢様Bm7-5のプッシュがある時はEmからE(またはE7)に化けることが多いです。イケメンがさらにイケメンになる瞬間です。
 


 

Ⅳ度 サブドミナント F
人気者

 
男子からも女子からも人気が高く、クラスのスター的存在。
 
Ⅳ度サブドミナント「F」にあたります。あらゆるジャンルで全方位的に活躍するコードです。非常に目立ちたがり屋で誰よりも先に前に出ようとします。コードのエネルギーは非常に高いです(テンションが高いのでサビの出だしにも向いています)。都会派の性質も合わせ持ち、モダンなテイストを生み出すことも出来ます。彼に曲のシメを任せるとトニックCほどバシッとした終結感がなく、なんとなーくふわっとした感じで曲が終わります。そのふわっとしたゆるい一面もみんなに愛される理由です。
 
Cほどベタすぎず、Amのように石頭でもないサブドミナントFの響きは、洋楽邦楽問わず万人受けする人気コードでもあります。人気者でお調子者ですが時にはFmやFm7に変身して、クラスのみんなを涙させることもあります。
 


 

Ⅴ度 ドミナント G
エリート

 
マジメ君よりさらにガリ勉でエリート気質なコードです。Ⅴ度ドミナント「G」にあたります。クラスを牛耳る実質的なリーダーは自分だとさえ思っています。ドミナントは「支配する」という意味を持ちます。
 
トニックと最も親和性が高く、クラスの裏の司令塔となるのがドミナントです。前に出たがる事は少なく、ドミナントから曲が始まることは非常に稀です。ですが、サビへの展開や転調の直前など重要な局面では率先して前に出てきます。密かに組織を支配するエリート・フィクサーといったところでしょう。
 
Gm7に変身することもありますが、エリート気質のせいで曲の流れがやや堅く難解な響きになったりします。ソウルやR&Bなどに見られるテクニカルな響きです。
 
ドミナントからトニックへ帰結する動きは、エリートからリーダーへの橋渡しとなりますので、曲を終わらせるような強い響きになります。リーダーに唯一強い要求が出来るのも彼だけです。
 

 

Ⅵ度 Am
クール 

 
クールなキャラクターでプライドの高さが特徴のⅥ度「Am」。
マイナーキーでは堂々たるトニックです。
その時は先頭を突っ走り、殿(しんがり)も務めます。
 
実は最もリーダー(トニック)になりたくて仕方のないコードでもあり、リーダーに対する強い想いからそのコードの響きには陰を背負っています。しかしコード全体において非常に大きな影響力を持っており、リーダー以上に先頭を行きたがり、リーダーと渡り合えるほどの強いエネルギーを持っています。Amから「A」に変身することがあり、その時はリーダーのように曲を強引に終わらせるくらいの力を発揮することがあります。
 
サブドミナントと親和性が高く、ドミナント(G)に行くよりもサブドミナント(F)に行く方がむしろ非常に強い力を放ちます。また反発心からかリーダーのトニックにはあまり率先して絡みたがりません。絡むことはありますが、トニックに動いたとしてもさほど強い進行感は得られません。逆にCからAmに動くことはよくあります。人気者のFやエリートのGさえ格下に見るようなプライドの塊のようなコードです。
 

 

Ⅶ度 Bm7-5
お嬢様

 
高貴な雰囲気を漂わせるお嬢様、Ⅶ度「Bm7-5」です。
 
そのお嬢様のプライドと存在感ゆえにとても絡みにくいコードでもあります。ですが、イケメンコードⅢ度とは唯一と言ってもいいほど自分から絡みたがり、お嬢様のパワーでイケメンをさらに化けさせる力を持っています。
 
時と場合によって「B」や「Bm」に変身することもある、とても気まぐれなお嬢様です。この変わり身は時と場合をわきまえないとクラスの空気を凍り付かせてしまう(曲の流れを乱してしまう)わがままな変身でもあります。
 
このⅦ度をどのように使うかは音楽理論に基づいていなければなりません。頭脳派の作曲家にのみ許された孤高のコードです。
 

 

禁則進行

 

コードの役割3
 
コード間でいくら親和性が高いからといっても、動いてはいけない動き方というものがあります(禁則進行)。
 
AmからFに動くのはOKでも、Fから直接Amはダメです。
同じようにFからDmはOKでも、DmからFはあまりみられません。
 
禁則進行は絶対的に禁止というわけではないのですが、実際に楽器を弾いてみればわかると思います。心地よく響かないのです。
 
 
この禁則進行はAm・F・Dmというキャラクターの相性が良くとも、コード間で役割がカチ合う組み合わせの時に起こりうるもので、コード間である種の衝突が生まれ、そして音の違和感が生まれるのです。
 
 
同じ事はドミナントGとⅢ度のEmの間でも起こります。
 
コードの役割4
 
ドミナントGから、Ⅲ度Emに動くことはよくあります。「J-pop進行」のようにF - G - Em - Amと動いたりしますよね。
エリートGからしてみればイケメンなんて格下です。気兼ねなく働きかけますが、イケメンEmからしてみれば、エリートGは鼻持ちならない気取ったヤツとして二人きりの時は直接話しかけたりはしません。でも他の誰かが一緒であれば仲良く話します。イケメンとエリートの関係性はそんな危うい関係性なのです。
 
EmがE7に化けたときは、ドミナント的な曲を次につなげようとする展開力を発揮します。(それもそのはず、マイナーキーでは立派なドミナントですから)
そのようなところからも、イケメンEmはエリートGに張り合うような一面も持っていることがうかがい知れます。でもエリートからしてみれば、しょせんはイケメンのたわごとなので冷ややかに見下しています。「あいつはしょせんルックスだけだ」と。(でも実はドミナントの自分にはないスタイリッシュさは認めている)
 
 

 

代理コード

コードの陽キャラと陰キャラ

 
 
ベーシックの部分でキャラクターが似ているコードは「代理コード」として機能させることができます。
 
人気者Fとマジメ君Dmは陽キャラと陰キャラの違いはあるのですが、根っこの部分ではどこか通じ合っていて、コードのキャラクターが似通っています。どちらも人から信頼されるような義理人情に厚い部分があるのです。それゆえ、Fの代わりにDmを使う事ができます。
 
同じようにエリートGとイケメンEmもどこかキャラクターが似ています。つまり、Gの代わりにEmを使う事ができるのです。
 
「 F - G 」とコードを動かすなら「 Dm - Em 」と動かすことも出来るわけです。これが代理コードです。
 
コード進行のパワーで言えば
 

「 F - G 」(強) > 「 Dm - Em 」(弱)

 
となりますが、パワーが強いということはいかにも「ベタ」ということでもあり、なんだか必死で「ダサイ」とも言えます。あえてパワーをクールダウンさせることで曲の進行感をカッコよくしたり、モダンに感じさせたりすることが出来るのです。

 
そのひと工夫に代理コードというテクニックを用いるというわけです。陽と陰を場面によって使い分けるということです。
 
 
陽キャラは人にウケやすいですが、時として薄っぺらい軽さとして嫌われてしまうことがあります。カッコイイ曲、クールな曲ではストイックな陰キャラの方が出番が多く、実際に曲として絵になることが多いのです。 芸術性や天才性は陰キャラの独壇場です。
 
このようにコードも人間と同じで、それぞれの性格があって一長一短があります。コードの使い方も適材適所なのです。楽しい曲を作りたいなら陽キャラコードで固める必要があるでしょう。でも涙させるような曲にしたい時は陰キャラの力が必ず必要になります。
 
 
音楽は時間の中に感情を封じ込めるアートです。
 
その感情を音楽で表現する方法のひとつがコード進行なのです。