コード進行  マスター
 

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音楽制作会社ネクスト・デザイン

 

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F on G の魔法

 
 
 
ドミナントの使い方は作り手の個性を表します。
 
 
ストレートに大げさに鳴らして、曲を終局に向かわせる。感動や情感を真っ直ぐに表現して、聴き手にダイレクトに伝える。
 
 
バラードなどでは
 

G→C

 
という全終止が多用されることが多いので、曲の終止感がよくわからないという方は、一般的なバラードの締めくくり部分を思い出してみてください。
 
いかにも終わりますよーという響きで、最後のフレーズが締めくくられるはずです。
 
 
 
これはこれで、聴き手に安心感を与える終わり方なので、言ってみれば、当たり前な終わらせ方なのです。
 
 
 
 
しかし、さらにひとつ上の作曲理論としては、いかに終止感に創意工夫をこらすか… そこにこそ、作曲家の個性が表れる部分です。
 

F on G

 
 
 
これはサブドミナントFと、ドミナントGを掛け合わせたようなもので、響きはFなのですが、ベースがGに行っているので、都会的でアンニュイな洗練された終止感を得られます。
 
 
 
これを覚えたての頃は、やたらとF on Gを鳴らしてしまいたくなるような魔法のようなコードと言えるかもしれませんね。
 
 
 
ドビュッシーもショパンもユーミンも、このF on Gを多用しています。
 
 
 
さらに代理コードを使って
 
 

Dm7 on G

 
 
でもいいわけです。
 
 
 
都会的なコード感という意味ではこのコードはハウスでも多用されているんですね。
 
 
 
ハウスという音楽は、元々「コード進行の実験場」という側面が強く打ち出されたジャンルでした。
 
 

|Dm7/G|Em7/A|

 
 
を無機質なピアノのコードリフを4つ打ちに乗せるだけで、すぐハウスになるはずです。
 
ストラト・ギターのカッティングやローズなどのエレピが、延々このコードを循環しているだけで、モデルショーや華美なイベントショー等が似合うようなハウス・トラックになります。
 
 
それぐらい、ハウスでは定番のコード感です。
 
 
ポップスに話を戻しますが
 
 

F on G

 
 
という都会派なコードは覚えておくだけで曲作りの幅が広がります。
 
 
 
サビだけでなく、AメロやBメロなどにも使えますし、ちょっとしたアクセントにも使えますので、是非試してみてください。
 
 
 
理論的に言えば、「導音の欠如がもたらす、調の整合性の瑕疵」とも言えるかもしれませんが難しい理論はいいんです。この響きが都会的だということを知っていれば。
 
 
 
 
きっと使っているうちに、このコードの心地よさにとりつかれているはずです。