アラン・シルヴェストリの「サードリレーション」


m3mをループさせる手法です。
Cm→Ebm→F#m→Am
作曲家アラン・シルヴェストリがよく用いるハリウッド映画音楽の制作手法です。
m3mについては先述のハリウッド進行をご参考になさってください。
ハリウッド進行の派生形です。
従来のコード進行手法には当てはまりません。
しかし、ピアノやシンセ等で軽く弾いてみてください。
音の響きがハリウッド映画的で、非常にシネマティックな世界観であることに気付くと思います。
これは我々が目にした、あるいは耳にした膨大な数のハリウッド映画の残像が記憶領域から呼び出されるからでしょう。
やはり、オーケストラ曲でこそポテンシャルを発揮する手法です。
クラシックでは御法度あるいは異端。
音楽理論的に解釈するなら…そんなことはどうでもいい。
映画を見た時の興奮や期待が、
このサードリレーションと共に我々の記憶領域に封じ込められているのです。
だから、アラン・シルベストリの曲を聴くと「かっこいい」のです。
それゆえ、サードリレーションは「すごい」のです。
ずっとマイナーコードが続くのに、ヒーローが敵と立ち向かうシーンが目に浮かびます。
あるいは、恋人同士が真実の愛を語り合う場面が思い起こされます。
マイナーコードの連続なのに、前進していく前向きで強い力を感じるのです。
単純な明るさとは違う、信念を持った強さを感じさせる進行感です。
根音(ルート)がディミニッシュ・コードを追いかけていく進行ですので、
不安定で不穏な響きになりそうですが、
トランスポーズ+3という転調感が、期待で目の前が開けていくようなそんな感覚をおぼえさせます。
不安定だけど前に進んでいく
僕たち人間の生き様のようです。
最後にこの手法について説明してくれている動画を
参考資料として紹介させて頂きます。
Silvestri's Third Relation Harmony
Cue The Music