天才のコード進行

天才モーツァルト最後にして最高の作品「レクイエム」。
これほど美しい音楽がこの世にあるでしょうか。
神童として生まれ、若くしてこの世の栄華を手にしたモーツァルトは、
30歳を超えたあたりから聴衆の人気を失い、35歳で早逝する晩年、
絶望と苦しみの中、病床に伏すも創作を決してやめなかったと言われています。
人気のためでもなく、栄誉のためでもない、
ただ魂のために作られたこの「レクイエム」こそが
モーツァルトという作曲家の神髄を形にしているのではないでしょうか。
この楽曲の依頼は匿名の人物からのものだったと言われています。
最後の創作となるわけですから、死神からの使者だったのか、
それとも神からの使者だったのか。
モーツァルトが命をかけ、魂をかけて作曲したこの曲を紐解いていきましょう。
まずはどんな曲なのか参考動画を挙げておきます。
Mozart - Lacrimosa
なんと素晴らしい楽曲でしょうか。
特に01:09あたりや01:40あたりは心が洗われ浄化されるようです。
ちなみにレクイエムは計14曲から構成され、
特に知られているのがこのLacrimosa(ラクリモーサ)なのです。
レクイエムは未完のままモーツァルトはこの世を去りますが、
Lacrimosaにレクイエムのすべてが集約されていると言っても過言ではありません。
コード進行は以下の通りです。



この曲をアコーディオンで演奏している動画が
コード進行を解析するには適していると思いますので、
参考動画として挙げておきます。
コードの動き方についての理論的な説明は、
このプロ編を見ている方々には不要だと思いますし、
神聖なる楽曲に対して不敬でもありますので省略しますが、
オンコード、ディミニッシュ、セブンス
そのどれもが美しく絡み合い、まるで生命のように息づいています。
なぜ分母がこのように動くと、この美しい旋律が生まれるのか、
なぜディミニッシュやセブンスがこのように華麗に響くのか、
コード解析していくと多くの学びが得られると思います。
Dmで始まるこの曲がDで終わるということに大いなる意味があり、
モーツァルトの魂が語りかけてくるようです。
この世界は残酷で絶望に満ちているが、その先には光が差していると。